だけど、静かに本を読んでるタイプで、あんまり人と接してないって、それなのになんでコウキと接点ができたの? と、あたしは疑問を浮かべた。
レイカは、あたしの考えを見透かしたかのように続けた。

「竹下クンは、勉強が苦手なのかしら? 佐々倉さんに教えてもらうようになったみたい」

なるほど。
それなら納得がいく。

コウキは勉強嫌いだもんなぁ。
野球バカというか、単純だから、難しいコトごちゃごちゃ考えらんないタイプ。
佐々倉さんに教えてもらうっていうのも、同じクラスだから不自然じゃない。

「そのうち、勉強だけじゃなくて一緒に下校するようになったみたいよ」

レイカはあたしの顔を探るように、じっと見た。
あたしはレイカの視線に気づいていても、そういえばそうだったと考えていた。

コウキとは一緒に帰らなくなっていた。
部活で遅くなるコウキを待ってられないし、チャコと一緒に帰るようになってから、彼氏のはずなのに、仲のいい男友達みたいになっていた。
時々、コウキはあたしを誘うけど、あたしは気が乗らないときもあって。
それで擦れ違いはじめたんだ。

「佐々倉さんは、図書室で本を読んだり勉強したりして、時間つぶせるもんね」

レイカは言った。

もしかしたら、コウキは寂しかったのかもしれないな。