「高坂…ううん、アヤ」

背の高い土井くんが、背の小さいあたしを後ろから抱きしめる。

「いいんだな?」
「うん」
「竹下のことは忘れて?」
「もちろん」
「竹下に夢中なお前を、ずっと好きだった」

土井くんは、あたしの唇を荒っぽく奪い取った。
そしてそのまま、お互いの背中をまさぐりあう。
小さな声が、漏れていく。

やっていることは荒々しいけど、土井くんはあたしを優しく触った。

「ユウジ」

土井くんの名前を呼びながら、あたしは初めて、女になれたような気がした。