あたしのイメージでは、マリのいいなりになるようなひ弱な人だったけど、黒ぶちの眼鏡をかけていて、すごく賢そうだった。
ちょっとだけ、斎藤クンと姿がかぶるなぁ…。

「マリがお世話になってます。って、ああ、あたしが言うのも変ですけど」
「ぷっ。アヤちゃんって面白いね」
「まあ、腐れ縁ですから、あのコとは」

うーん、なんかやっぱり優等生タイプだよな、このタイシ君って。
チャコが好みかもしれない。

「敬語やめようよ。同級生なんだし。とりあえず立ち話もなんだから、マックでも行こうよ」
「そうです…じゃない、そうだね。うん、いこ」

言いなおしたので、タイシ君はぷっと噴き出して笑った。
その仕草が、なんだか妙に大人びて見えた。