あたしは、思ったとおり、やっぱりここに来たことを後悔した。
ユウジを裏切るつもりはない。
だけど、他の男と会ってるところを見られて、あたしは言い訳ができるだろうか。
あたしがどんなに言っても、信じてもらえないかもしれない。

ついこの間まで、あたしはユウジよりも先生の方がいいって思ってたのに、先生がいなくなった途端コレだ。
あたしは軽い女になりたくなかったのに、自分がそうなりかけてる。
今、そのことに気づいた。

やっぱり帰ろう。

そう思って、駅に向かおうとした。

「こんにちは。アヤちゃん?」

それは、あたしが何度もマリから見せてもらった、元カレ・タイシ君その人だった。