春、夏とユウジのバスケ部は大会が続くので忙しい。
二年生になって、レギュラー争奪で躍起になってるみたいで、ユウジとはなかなか会うこともままならない。
まあ、休み時間に会っているんだけど。
コウキは割と放任だったけど、ユウジはあたしにべったりかな。
どっちがいいのかと言われると困るけど、あたしの今の心のぐらつきからすると、ユウジに始終いてもらった方が気が紛れる。

チャコは斎藤くんとうまくやっているみたいだけど、それでも付き合ってるわけじゃないので、あたしとの付き合いは相変わらずだ。
進展が特にないので恋の話はほどほどで、大抵は雑談ばかりだ。
なんとなく過ぎていく毎日だけど、チャコと過ごせているからそれでいい。
そして、たまにマリと会って恋がうまくいかない者同士、語り合う。

それで、あたしは満足だった。
もう、しばらくの間、恋というものはお休み。
そう思っていた。

だけど、あたしはマリと会ったときに、マリに言われたことで、あたしの恋はまた動き始めた。

「ねえ、タイシと会ってくれない?」

ユウジのことが頭をよぎった。
あたしはユウジと付き合っている。
チャコにも、ユウジのことは紹介したし、あたしもユウジもお互い彼氏彼女の関係だって思ってる。

ただ、会うだけなんだろうか…?

恋愛に奔放なマリのことだ、ただ単に会うっていうことだけじゃないと思う。