私が、中学1年生の頃のお話。
「華代、悪いんだけど、掃除変わって!!」
顔の前で手を合わせ、頭を下げているのは幼なじみの立花渉夢。
「いいよ!渉夢、今日は彼氏?」
「そうなの!!園田君と初めて遊ぶんだ~!」
「楽しんで来てよ!」
「ありがとう!」
渉夢、どこの掃除当番なんだろう。
聞きそびれちゃった。
「おい、渉夢って奴どこ」
??
声のした方に顔を向けると、まだ私と同い年のはずなのに、大人びた綺麗な顔をした男の子が立っていた。
「渉夢なら、今日用事あるって帰ったよ。私がその代わりに掃除当番」
「あっそ、ならさっさと終わらせようぜ」
なに?
その態度!!
初めて口きく相手にそんな言い方ある??!
「ねぇ、どこの掃除なの?私、聞くのわすれてて……」
「鈍臭い奴だな。お前」
な、な!!
なんなの!!!?
この人、酷くない?!
鈍臭いって、よく言われるけど………。
「あ、綾瀬君だっけ?初めて話す相手に失礼じゃない」
「あぁ??」
な、なんで怒るの!
怒りたいのは私の方なのに!!
「ど、鈍臭いのは本当だから言い返せないけど………。お前って言い方はないでしょ!」
「ふっ、鈍臭いのは認めんのかよ。変な奴」
そう言って綾瀬君は笑い始めた。
入学してから、綾瀬君はモテているように見える。
けど、笑ったところは見たことがなかった。
「いいじゃん。笑った顔」
「なんだよ、急に」
少しむっとして顔をした綾瀬君。
なんだ、色んな表情持ってるんじゃん。
「綾瀬君は、むっとした顔より、笑った顔の方がいいと思う」
心の中では、こんな奴!!って思ってた。
笑顔を見た途端、何故か嬉しいと思った。
「じゃあ、お前の前では笑ってやる」
「へ?」
私には、笑顔を見せてくれるってこと?
「俺、お前の名前知らねぇ」
「小日向華代」
「ん。分かった」
それから私達は一言も話さなかった。
次の日からも話すことはなかった。
それから私は気付いたんだ。
私、綾瀬君のことが好きだって…………。
「華代、悪いんだけど、掃除変わって!!」
顔の前で手を合わせ、頭を下げているのは幼なじみの立花渉夢。
「いいよ!渉夢、今日は彼氏?」
「そうなの!!園田君と初めて遊ぶんだ~!」
「楽しんで来てよ!」
「ありがとう!」
渉夢、どこの掃除当番なんだろう。
聞きそびれちゃった。
「おい、渉夢って奴どこ」
??
声のした方に顔を向けると、まだ私と同い年のはずなのに、大人びた綺麗な顔をした男の子が立っていた。
「渉夢なら、今日用事あるって帰ったよ。私がその代わりに掃除当番」
「あっそ、ならさっさと終わらせようぜ」
なに?
その態度!!
初めて口きく相手にそんな言い方ある??!
「ねぇ、どこの掃除なの?私、聞くのわすれてて……」
「鈍臭い奴だな。お前」
な、な!!
なんなの!!!?
この人、酷くない?!
鈍臭いって、よく言われるけど………。
「あ、綾瀬君だっけ?初めて話す相手に失礼じゃない」
「あぁ??」
な、なんで怒るの!
怒りたいのは私の方なのに!!
「ど、鈍臭いのは本当だから言い返せないけど………。お前って言い方はないでしょ!」
「ふっ、鈍臭いのは認めんのかよ。変な奴」
そう言って綾瀬君は笑い始めた。
入学してから、綾瀬君はモテているように見える。
けど、笑ったところは見たことがなかった。
「いいじゃん。笑った顔」
「なんだよ、急に」
少しむっとして顔をした綾瀬君。
なんだ、色んな表情持ってるんじゃん。
「綾瀬君は、むっとした顔より、笑った顔の方がいいと思う」
心の中では、こんな奴!!って思ってた。
笑顔を見た途端、何故か嬉しいと思った。
「じゃあ、お前の前では笑ってやる」
「へ?」
私には、笑顔を見せてくれるってこと?
「俺、お前の名前知らねぇ」
「小日向華代」
「ん。分かった」
それから私達は一言も話さなかった。
次の日からも話すことはなかった。
それから私は気付いたんだ。
私、綾瀬君のことが好きだって…………。