「ただいま!」


暢気にリビングに向かった。


すると、がやがや話している声がする。


リビングに顔を出すと…


「紫苑、こんなかっこいい彼氏おるんやったら、さっさと連れてきたら良かったのに!!」


母に引っ張り込まれて椅子に座らせられる。


隣で、うれしそうにニコニコしてるあっくん。


楽しそうな藍ねぇ、無表情の父に、なぜか無関心な兄。


「何で、あっくん、家におるん?」


「ケーキ届けに来たから。」


「何で家知ってんの?」


「企業秘密。」


もういいや。一切無視じゃ。



「もう知らへん。お兄ちゃん、藍ねぇの誕生日にはケーキ買いや。」