親友の結姫が死んでから10年。
今、私は出版社で働いている。
あの日、私は親友の死を受け入れることができなかった。
親友のために何もできなかったという後悔だけが残った。
勉強にも部活にも力が入らず怒られてばかりだった。
そんなある日、結姫からの手紙を受け取った。
そこには『ありがとう』と書いてあった。
その言葉に救われた。
後悔が一気に薄くなった。
結姫の分まで生きなきゃと思った。
それから私はある出版社へ就職した。
理由は子どもたちを笑顔にするための絵本をかくため。
今日もいつも通り新しい絵本の編集にあたっていた。