「あのっ、私、界くんとお付き合いさせてもらってる、柏木 雛ですっ!」
ずっと黙っていた界の彼女が俺に向かって口を開いた。
柏木 雛って…
「雛、こいつが前話してた俺の親友」
「確か入学した時学年1美少女って噂になってたよね?」
学年1美少女、その言葉に凪の顔がほんの一瞬曇ったのを俺は見逃さなかった。
「そんなっ、私なんか全然…!界くんと片寄くんだって学生1かっこいい2人だってみんな言ってるよ!界くんは私なんかには勿体ないくらいの人で…」
「そんなことない!雛は十分可愛いよ!!」
「そんなの当たり前だし!!!雛の方が界なんかには勿体ないくらいだし!!!!」
「凪〜、そんなこと言わないの!」
柏木 雛が困った顔で凪を宥める。
確かに柏木 雛は学年1美少女と噂になるくらいには整った顔をしている。
小さな顔に白い肌、大きな目、真っ直ぐに伸びた長い髪、華奢な身体に、凪よりも少し高い身長。
界はこういう女が好きだったのか…
「雛、もう行こ!こいつらに付き合ってるうちに昼休み終わっちゃう!!あたしお腹空いたし」
「あっ、ごめんね!じゃあ界くん…またね?」
そう言って凪と雛ちゃんは戻っていった。