小学6年生のとき、自分の背の高さほどあるギターを背負って、大の家を突撃した。


『だーいー!』


ドアの前、大の名前を大声で呼んでいると、家の中をバタバタと駆ける音を立てて、大が玄関のドアを開けた。


『未紘、朝からうるせーよ。
って、なんだよそれ。
なんで未紘がギター持ってんの?』


ドアを開けるなり、大は私が背負ったギターに目を丸くする。


『大に聴かせたい曲があるから来た!』


『は? え?』


『大の部屋行こ! 早く!』