大は、私につけいる隙さえ与えてくれない。 あれ、大の声って、これくらいの低さだった……? 「俺はひとりで食べるから、未紘ももう戻ってひとりで食べろよ」 「……わかった」 大にそう促されては、引き下がるしかなかった。 お弁当を食べてほしいと思っていただけで、喧嘩をしたいわけじゃない。 「いつでも、食べたくなったら言って。 明日もお弁当、作ってくるから」 「…………」 語りかけても、返事は当然のようにない。