「心から愛おしくてたまらない」


「私もだよ。
あなたのことを愛してる」


こんなにもするりと、愛の言葉が口をついて出た。

私は見つけたのだ、本当の愛を。


そして──近づく影に目を閉じれば、お互いの唇の熱が混じり合った。


二度目のファーストキスは、涙の味が滲んでいた。


こんなに幸せな瞬間、きっと他にない。


泣きたくなるくらい愛おしいと思える恋だった。


あなたに、何度も出会えてよかった。


明希ちゃん。

もう一度好きになってくれて、ありがとう──。






明希ちゃんは、この後も、失った記憶を取り戻すことはなかった。


だけど、私は忘れない。

いつの時の明希ちゃんも、私の好きな人。


欠けた私の心をあなたが埋めてくれたように、私たちの記憶は私がこれからも埋めていくよ。

何度あなたが私を忘れたとしても、すぐにあなたを見つけられるように、これからもずっとそばにいるからね。


ある時そう言ったら、ふたりでいれば無敵じゃんって明希ちゃんが隣で笑った。








- fin -