「冬休みも気を抜かず、文武両道に励み……」


「ったく、相変わらずくそなげぇな、校長の挨拶」


校長が壇上に上がり、話し始めて10分ほど経った頃、隣で加代子ちゃんが心底つまらなそうに大あくびをした。


冬休み前最後の登校日。

朝のSHRの時間に、こうして全校生徒が冷え込んだ体育館に集められ、全校集会が開かれている。


話が長いことで有名な校長の話がようやく終わり、全校集会がお開きになった。


出入り口近くに並んでいた後ろの生徒から、ゾロゾロと体育館を出ていく。


ゆっくり進む列に並んでいると、加代子ちゃんが私の肩に手をかけてきた。


「なー、未紘。冬休み遊ぼうぜ」


「うん」


平静を装いつつも、心の中では跳ね上がっている私がいた。

だって、友達からさらっと遊ぶお誘いを受けてしまった。