容赦なく突きつけられた事実がずしっと重たいしこりになったかのような感覚を覚えていると、小林先輩が返事をしない私に苛立ったような声をあげた。
「あんたと明希がどういう関係だか分からないけど、私は明希とやり直すつもりなの。
それなのに、この前明希はあんたを追いかけちゃって……。
率直に言って、あんたが邪魔。
あんまり関わらないでくれる?」
あまりに一方的な言い分。
……そこに、明希ちゃんの意思はあるのだろうか。
「でも、別れてるんですよね?」
怖気づくことなくそう言えば、小林先輩はなにを馬鹿なことをと言わんばかりにハッと嘲笑した。
「明希、記憶がないんだよ?
最近見かけないと思ってたら、明希が私を振ったことを忘れてるって分かった時は驚いたけどね。
でもちょうどよかった。
明希に対しては、いくらでも記憶が捏造できるんだから」
ぺらぺらと繰り出されていく言葉を聞きながら、息が詰まるかと思った。
この人は、なにを言ってるの……?