「あき、ちゃん……っ」
思わず目を見張り、口を抑える。
うそ……。
思いがけない奇跡に感情が爆発して、気づけばスマホを見つめたままポロポロと涙がこぼれていた。
明希ちゃんが元気で、明希ちゃんが昨日のことを覚えている。
もう、明希ちゃんが記憶を失うことに対して心を痛める日々は来ない。
日々の思い出を、みんなと同じように重ねられる……。
考えれば考えるほど涙がこみ上げてきて、スマホの暗い画面にポタポタと落ちる。
なんて奇跡だろう。
よかった。本当に、よかった……。
嬉しくて泣いたのは、人生で初めてだ。
それはまるで、抱えきれない衝撃と感激が水滴になって瞳からこぼれているみたいで。
こうしてはいられない。
早く会いに行かなきゃ。
そして事故の日ひどい言葉を投げつけてしまったことへの謝罪と、今度こそ自分の気持ちを伝えたい。