「明日も、今日と同じ場所に同じ時間に集合してくれる?」
明希ちゃんのとおる声が、私の心を撫でる。
「わかった」
「じゃあ、また明日」
そう言って、明希ちゃんがあっという間に美術準備室のドアの向こうに消えてしまう。
足元に落としてしまった袋を手に取る。
そして私はドアに向かって声を投げかけた。
「今日は本当にありがとう。
すごく楽しかった」
……明日、あなたに伝えたいことがある。
「明希ちゃんがたくさんくれた分、お返しできるよう頑張らせて」
私の声は、しんしんと冷えた廊下に吸い込まれていく。
室内から返事が返ってくることはなかった。