と、その時、私の声を遮るように、明希ちゃんが突然足を止めた。


「どうしたの?」


数歩先へ進んでしまった私が振り返ると、明希ちゃんが困ったように眉を下げて笑った。


「……あ、いや。
ごめん、家まで送れなくなった」


「え?」


「学校って解放してたっけ。
ちょっと学校に用を思い出した」


「部活やってるし、解放してると思うけど」


「そっか。ほんと、ごめん」


突然やってきたお別れに、私はつい後先考えず声をあげていた。


「私も学校までついていっていい?」


「え?」


「ついて行くだけだから」


もう少しだけ、一緒にいたい。


懇願するように見上げれば、少しの逡巡の後、答えが返ってきた。


「ん。いーよ」