ペンギンを腕に抱えて、明希ちゃんと手を繋いで帰路を歩く。
「名前、なににする?」
「名前……明希ちゃんⅡ」
「待って、ちょっと今のツボった」
「え? どこに笑う要素があった?」
「いや、ヒロの独特すぎるセンスが爆発してるから」
「もう」
笑ってるってことは、おかしな意味ってことじゃない。
怒ったように頬を膨らませると、明希ちゃんが笑顔を控えめにして、目を細めた。
そして、冬空に溶かすようにしんみりと声を紡ぐ。
「ありがとう、ヒロ。
今日すごく幸せな1日だった」
「え?」
「明日の俺を今日より幸せにする、だっけ。
君はいつだって、俺に幸せをくれたんだよな。
俺の毎日は君がいたから輝いてた」
「明希ちゃん……」
「昨日も今日も明日も、俺は君に恋をするよ」
「……っ」