「これ、私に?」


差し出されたペンギンを受け取りながら信じられない気持ちでそう問えば、明希ちゃんが目を細め唇の端を持ち上げた。


「ペンギンに夢中だったから、つい買ってあげたくなっちゃったよね。
俺だと思って、可愛がってやって?」


胸が詰まって、目の奥が熱を持つ。


……どうしよう。嬉しすぎる。


「ありがとう、明希ちゃん。
すごくすごく可愛がる」


「はは、ありがと」


手触りのいいぬいぐるみをぎゅっと抱きしめれば、明希ちゃんの手が、私の頭をぽんぽんと優しく叩く。

……知らなかった。こんなに温かい気持ちがあるなんて。