……そう約束していたのに。


「熱ね」


「……最悪」


体温計が表示した数値を確認したお母さんの言葉に、布団の中の私は思わずぽつりと毒を吐いた。


朝、目を覚ましてみたら頭が重くて、体温を測ってみたら案の定だった。


「そんなに学校行きたかったの?」


意外そうに私を見下ろすお母さん。

私は目を伏せ、肯定を示した。


「未紘がそんなふうに思うようになるなんてね。
最近雰囲気も変わったし、なにかあったの?」


「雰囲気、変わった?」


そういえば、加代子ちゃんにも似たようなことを言われた。


「全然違うわよ。目に光が灯った感じ」