「明希ちゃん、加代子ちゃんと知り合い?」 帰り道。 明希ちゃんの隣を並んで歩きながら私はそう尋ねる。 「加代子ちゃんってさっきの子?」 「うん」 「あー、それ多分、ナツじゃないかな」 軽い響きで告げられた答えに、つい驚いてしまう。 「加代子ちゃんが〝ファン一号くん〟の知り合いだったなんて」 あれほどずっと謎に包まれていた〝ファン一号くん〟と知り合いだった人が、まさかこんな身近にいたとは。世間は狭い。