「これ──」 「あー、見られちゃったか」 私が弱々しくかざした紙を見て、明希ちゃんはやっちゃったな、というように自嘲気味な笑みを落とした。 「……っ」 現実を受け止めきれずにいると、明希ちゃんがこちらに向かってゆっくりと歩いてくる。 そして、目の前までやってくると私を真剣な眼差しで捉えた。 「ヒロ、俺は」 「あ……」 やめて──。 その先を言わないで。 私、明希ちゃんのこと……。 「君のことが好きだよ」