翌日──大との約束がある、前日。

登校し、教室で本を読んでいると、大きな声をあげて加奈代ちゃんがこちらへ歩いてきた。


「おはよー! 未紘!」


「おはよう」


加奈代ちゃんは私の机の端に腰をかけ、ずいっと顔を寄せてくる。


「今日一緒にお昼食べようぜ」


突然の提案に、私は瞬きもせずに加奈代ちゃんを見つめた。


「でも加奈代ちゃん、友達が」


加奈代ちゃんは私と違って、ひとりではない。

大らかで物怖じしない性格はみんなに好かれており、お昼だって多くの友達に囲まれている。


加奈代ちゃんとお弁当を食べたい人は、ごまんといるはずなのだ。