「なんかヒロ、嬉しそう」
昼休み。
ジャムパンを食べていた明希ちゃんが、その手を止め、目を細めてそう言った。
「そう?」
「いいことでもあった?」
そんなに顔に出ていただろうか。
お弁当を食べていた箸を置き、私は明希ちゃんを正面から見つめた。
そして重大発表さながらに、改まって告白する。
「友達が、できた」
「えっ、まじ?」
「うん」
途端に明希ちゃんの顔に笑みが広がった。
「よかったじゃんヒロー」
腕を伸ばした明希ちゃんに、子どもにするみたいにわしゃわしゃと頭を撫でられる。
明希ちゃんの手つきが優しい。
まるで甘やかされてるみたいで、なんだか気恥ずかしくなってしまう。
でも、友達ができたことを一緒に喜んでくれるのが嬉しくて。