「たしかにずっと友達なんていらないって思ってたけど、変わらなきゃいけないって思って」
すると彼女が大きな口を開け、青空に向かってははは!と笑い声をあげる。
相変わらず豪快で声が大きい。
正反対の私たちは、もしかしたら、今日声をかけなければ卒業まで交じることのない縁だったのかもしれない。
「正直だなー。そういうとこ好きかも。
いいぜ、ダチ!
よろしくな、未紘」
彼女──加代子ちゃんから、手を差し出された。
これは……もしかして、友達作ろう作戦が成功したのだろうか。
ぎゅっと胸が引き締まって、頬が微かに緩む。
「よろしく、加代子ちゃん」
手を出せば、ぎゅっと強く握りしめられた。
派手な指輪だらけのその手は、私の手よりも少しだけ骨ばっていて大きかった。