なんの音もない暗い部屋の中、縋るようにぎゅっと足をかき抱き、ひたいを強く膝に押し当てる。
もがくように口を開く。
そして息を吸い込み。
「……ぁ、ぁ……」
喉に力を込めて歌声を奏でようとしても、耳に届くのは、やはり情けないほどに掠れて音にもならない自分の声。
「…………うう……」
私はさらにぎゅうっと、膝を抱える手に力を入れた。
ぐっと込み上げてきそうになるものを、必死に胸に抑え込む。
明希ちゃん、笑顔の魔法解けちゃったよ……。
部屋を包む暗闇はどこまでも果てしない。
このままこの闇に溶けてしまいたかった。