3階の窓から下を見つめていた私を見つけた明希ちゃんは、おっと驚いたような表情を浮かべ、そしてまた顔を下げるとなにやらズボンのポケットを探る。


そしてスマホを取り出し、なにかいじったかと思うと、私を見上げて自分のスマホを指して示した。


スマホ?

明希ちゃんがなにを伝えようとしているのかわからず、小首を傾げながらも、自分のスマホをポケットから取り出してみる。


すると、ディスプレイにメッセージ着信の知らせが映っていて。


『弘中明希:また明日』


その文面に、くすぐったいような、そんな胸のざわめきを覚える。