すると不意に、「あ」と明希ちゃんがいつもより弾んだ声をあげる。 「観覧車見つけた」 「どこ?」 「ほらあそこ」 「ん?」 「もうちょい左の方」 「あ! あった」 見つけた瞬間、私もさっきの明希ちゃんみたいに、思わず弾んだ声をあげてしまう。 遥か遠くに見える最近できた遊園地の観覧車が、ピンク色の光を点滅させながら、目を凝らさなければわからないほどゆっくりゆっくり回っている。