「ふう。昔と変わったな。国中がピリピリしている。よし聞き込みしなくちゃ。」

近くにいた女の人に声をかける。

「あのすいません。」

「あらイケメン。はぁいなんでしょう?」

「年は10歳くらいで銀髪の琥珀色の目の子. . . 私に似ていると思うんですが見た事ありますか?」

「うーん. . . ああ!あの子かも!」

6年間ずっと聞き込みをしてやっと瑓の情報か?

「いつ頃くらいに見かけました?」

「6年前くらいかな?たしかにあなたと同じ顔の子が手枷つけられてあの悪魔の軍に連れていかれたのを見たことがあるわよ。でも死んでる可能性が高いわ。」

「そん. . . な。」

今まで私がしてきた事は無駄だったのか?

違う私が悲しまなきゃ誰も悲しんでなんかくれない。

「ありがとうございます。6年も前の事を思い出してくれて。」

女の人は私が涙を流しているのを見て頬を赤らめて決心を決めたように口を開く。

「ごめんなさい!」

「いえ、謝って頂かなくても。あなたは何も悪い事なんかして. . . 。」

「したの!『死んでる可能性が高いわ』って言ったわよね。」

「ええ。」

「実は悪魔に気に入られてるらしくて、ペットにされている可能性の方が高いの。」

私は理解不能だった。


ーー瑓が悪魔に気に入られてる!?
それにペットにされてるなんて!ーー


「その悪魔は何処にいるんですか?」

「えっとそれは. . . 。」

いかにも言いにくそうにしている。
よし。ここは恥ずかしいけど. . . 。

「一生のお願いです。お礼に何でも言う事ひとつ聞いてあげますから。だめですか?」

手を前で合わせて必死に頼む。

キューーーン

「何でも。ですね?」

「は、はい。」

何か寒気を感じた気がするが。気のせいだろう。

「この先のクラウドル王国のすぐ近くです。」

クラウドル王国. . . あそこの近く。

「クラウドル王国か。ありがとう。お礼に何をすればいい?」