なんでうち、5階なの…?



団地の狭い階段にコツコツとヒールの音と共に荒い息遣いが響く。




夕暮れも徐々に青みが増した18時。



僅かな踊り場のスペースに玉切れの電灯が煩わしく点灯している。





上目遣いでチラッと電灯を見てバッグの中の鍵を取り出した。





「…先週管理センターに言ったのに…」




一向に取り替えてもらえない電灯に上がった息から更にため息が漏れた。





重たいドアを開けて玄関マットに汗ばんだ身体を座らせる。



今日はやけに疲れた。






「…っあぁ〜もう、なんかいらつくっっ」





私は暫く股を広げて座ったままその場を動けなかった。