美恵が悪いんじゃない。





私が選んだ道。





私が選んだ男。




それが旦那。





あの時…、





あの日…、





あんなこと言わなければ。




今、BMに乗って夜景の綺麗な高層マンションに帰るのは私だったかもしれない。





『……乗り換えの方は次でお降り下さい……』




電車のアナウンスを聞いているのは美恵だったかもしれない…。





アナウンスが終わって線路の連結部分で揺れる電車。



つり革を持つ手に力が入り、ピンヒールで支える身体をかろうじて揺れから逃す。




ここに立っていたのは、





美恵、




本当はあんただったのにっっ……。