あれから小一時間ほどお茶をして美恵とは別れた。




車で送るよと言ってくれた美恵の好意を断り、




私は駅のホームのベンチに腰掛けた。




買い物するからー。




あっさりと納得して帰って行った美恵にも腹が立った。




だけど、




どうしても一緒に居たくなかった。





先ほどまでとは違って冷たい風が抜けるホームのベンチで、




電車を一本見送った後、





首にまとわりついたBVLGARIのネックレスを外して箱に直した。





バッグの底で遊んでいた旦那から貰ったネックレスを取り出し、ため息が漏れる首元に飾った。






こんな私には、これが一番かもしれない。