「……なんでわたし、安城に心配されるの?
それより今の言い方!

お父さんみたいだった。
もしかして安城、逆サバ呼んでる?
同級生じゃなくて、実は随分年上?
お父さん世代? 昭和?」

「なわけないだろがっ!
紛れもなく同級生だってのっ!

バカかっ!!」

壺山は俺の声に一瞬驚いたようだった。
目を見開いてびっくりした表情をしたけど、その後すぐに笑い出した。

「バカじゃないって言ってるのに~。
安城って面白いよね~」

「お前やっぱりどっかずれてるわ」

くすくす笑い続ける彼女を放っておいて、出された紅茶に手をつける。

結局、どうして俺が今日こんな目にあっているのかはわからないままだし、聞いたところでわかる気もしない。
なんにも答える気のなさそうな目の前の壺山をちらりと見やる。

……まだ笑っている。