「あれ、無視?俺の可愛い彼女さん♪」

「…ちょ、やめてっ」


そう、皮肉にもこの男は私の‘彼氏’なのだ。


この男の彼女の一人が私、というわけではなく

私はちゃんとした蓮のたった一人の彼女なのである。


蓮の周りにいる女子に「思い込みなんじゃないの?」ってよく言われるけど

蓮が‘彼女’って公言するのは私だけだし

唇にキスするのも私だけ。

だからさっきキスをせがまれても唇にはしなかったでしょ?

甘い言葉でうまいことかわして。