昼休みに那央にした日曜日の報告は、愚痴になってしまった。

「迷うほどの男じゃないでしょ。さっさと断りなさい」

「でも……本当に断っちゃって、大丈夫でしょうか。もし、他にいい人がいなかったら……」

「千帆ちゃんは、もう少し男を知った方がいいわ。数撃ちゃ当たるとまでは言わないけど、他の人にも会えば、もっとましな人がいるって分かるわよ」

根気良く諭されて、千帆も納得がいった。

その場で結婚相談所にメールを入れる。時間を置くと、また迷ってしまいそうだったからだ。

「直感が大事よ、直感が」

那央の主張は、いつだって明快だ。

「でも、結婚するわけだし、直感だけでも……」

「だからって、一緒にいて辛い人と、わざわざいることはないでしょ。一生一緒にいるのよ!?」

那央の言うことは、いちいち胸に突き刺さる。日曜も土曜も、千帆にとっては辛い時間だった。

気を取り直してランチを楽しんでいると、そういえば、と那央が訊く。

「千帆ちゃん、アプリのアイコン変えたよね?」

以前は、夏休みに帰省したときに撮った、実家の猫と向日葵の写真を使っていた。もう冬になるというのに向日葵もないなと、今さらながらに変えたのだった。土日ですっかり疲れてしまったので、気分転換という意味もある。