「杏美~」

と私の名前を呼んで、手を差し出してくる。

何がしたいんだろう?


「自分はね~暗いところだと何も見えないんだよ~」


何でもないことかのように、あっさりと言った永塚さん。


「だから~どこに行くのか知らないけど~手を貸してくれない~?」


驚いた。

永塚さんにそんな事情があったなんて。


「いいよ。目悪いの?」


永塚さんに腕を貸して、歩きながら尋ねる。


「……ま~そんなもん~」


ゆるいな。

優莉愛さんとは、全然違う。

似ているとか、真反対とか、双子ってそういうものだと思っていたけど。

この2人はまるで…………。


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