カチャカチャ…


『黒狼』がコーヒーを入れ始めたのか、
コーヒー豆の良い香りがする。


黒狼「ほら。」


テーブルの上に置かれたマグカップ。


やっぱり、この香り…。
知ってる気がする。


そう考えながらカップに手を伸ばし、
一口飲んだ。


朱音『……違う。』


黒狼「ん??不味かったか??」


朱音『…いや、悪くない。』


そう言うと『黒狼』は
少し嬉しそうに「そうか」と言った。

でも、私の疑問は益々深まるばかりだった。