「いいけど、共同の社宅だからシェアハウスみたいに色んな人がいるわよ」

「大丈夫!」

「しかもほとんどおじさん。リビングを通じてひとり部屋が繋がってる感じだからいびきもうるさいって」

「だ、大丈夫!」

「あと、そこから莉子の学校までは徒歩なんかじゃ行けないから電車通学よ。駅まで距離があるからバスで行って、そこから乗り換えありの一時間。今よりずっと早起きしないと学校に間に合わないわよ」

「だ、大丈夫……じゃない……かも」


早起きは苦手だし、今だってスマホのアラームの他にもうひとり目覚まし時計をセットしなきゃ起きられない。


「まあ、もし本当にムリなら私も考えるけど。とりあえず今日は雪子の家で泊まってね」


結局私は流れのままに、蓮と零の家に行くことになってしまった。