「前からお義母さんと同居する話になってたでしょう?」

たしかにお父さんのお母さん。つまりおばあちゃんと一緒に住む話は知っていた。

おばあちゃんは足が悪くて現在はヘルパーさんに頼っているけど、心配だし、なかなか会うこともできないから、だったらうちをバリアフリーにして、おばあちゃんが生活するのに困らないようにしようと何度も話し合いはしていた。


だけど、なんでこんな急に?


「忙しくて予定を勘違いしちゃってたのよ。本当にリフォーム期間中に住む場所を探しておくはずだったんだけど、明日からって言われたから、私も急いで準備を……」

「え、わ、私は?」

お父さんは現在単身赴任で家にはいない。さっきお母さんは社宅に住むとか言ってたけど……。


「莉子は今日から雪子のところに行って。もう連絡はしてあるから」

「ゆ、雪子おばさんのところ……!?」

ということは、蓮と零の家ということになる。


お母さんと雪子おばさんは高校時代からの親友で、晴彦おじさんとお父さんも趣味の釣りを通じて若い頃から知り合いだったと聞いた。

だから昔から家族ぐるみで仲がよくて、雪子おばさんも私を本当の娘みたいに接してくれるけど……。