私だって、それなりにオシャレには興味があるし、化粧も髪型も雑誌を買って勉強している。
私は童顔だし、背が低いから幼く見られることが多くて、それが少しコンプレックスだった。
だって一緒に成長してきたはずの蓮や零ばかりがどんどん大人びていって、『あれが早川くんたちの幼なじみ?』と、嘲笑われたこともある。
だから私だって、変わりたいし、叶うなら蓮の隣を歩いても『お似合いだね』って言われるようになりたい。
それで、幼なじみとしてじゃなく、女の子として見られたい。
だけど、そういう気持ちさえ零にはきっと見抜かれている。
昔から私がやることにいちいち文句を言ってきて、テンションだけを下げるのは本当にやめてほしい。
「零って、私のことキライだよね」
振り返ってみても、零に優しくされたことなんて一度もない。
すると零は意味深に口を緩ませながら私の首元を触り、人差し指を引っ掛けて〝あるもの〟を手繰り寄せた。
「……あ」と、声を出した時にはもう遅くて、隠していたはずの〝それ〟がワイシャツの下から出てきてしまった。
「キライっていうか、バカだなって思ってるよ。いつまでもこんなガキくさいのしてんじゃねーよって」
それはイルカのネックレス。