本当の恋を私はまだ知らない。

ある日
私はいつも通り隆先輩と
いつもの図書館にいた。

そしたら隆先輩が
「雅ちゃん?今週の土曜日時間あるかな??もしよかったら俺とどこかご飯でも食べに行かない??」
と聞かれた。

私は休日のほとんどを
雄一と過ごしているため悩んだ。

しかし私は隆先輩と
休日出かけたことがなかったので
OKした。

雄一には友達と遊んでくるとだけいい
なんとか疑われずにすんだ。
そして土曜日。

私は隆先輩との待ちわせ場所に行った。

そしたらそこには
私よりも早くに隆先輩が着いていた。

私が
「すいません!!待ちましたよね。」
と言うと

隆先輩は
「全然待ってないから気にしなくていいよ??」
と言ってもらえた。

私がほっとすると
隆先輩が
「じゃあ行こうか。」
と言って歩き出した。

私は隆先輩のあとを
そそくさとついていく。

今日のお店は隆先輩が予約してくれたらしく私は楽しみと思いながら
着いて行った。

けど10分ぐらい経ち
私はあれ??と思った。

なぜかと言うと
今私がいるところは
飲食店なんかは一件もなく
それどころかここはホテル街だ。

けど隆先輩はどんどん
歩いていく。

私はただついて行くだけだった。
「ついたよ。」

そう言われて私は顔を上げると
やはり目の前にはホテル。

私は少し動揺しながら
隆先輩のあとに続いてホテルの中に
入っていった。

そして受付をし部屋に入る。

部屋にはBGMが流れており
ムードを演出していた。

ここに来たということは
やっぱりそういうことなんだよね?
と思った。

私は動揺しまくりなのに
隆先輩はとても落ち着いていた。

私がベッドに座ると
横に座ってきた。

「あの先輩っわたし…」
と喋っているあいだに
私の口は隆先輩の口で塞がれた。

そして隆先輩の舌が
私の口の中に入ってくる。

私はぼぉーとしてしまい
何も考えられなくなっていた。

そしてもうどうにでもなれと思い
私は隆先輩に身をゆだねてしまった。

私が気がつく頃には
もう行為は終わっていて
私は隆先輩の横で寝ていた。

私は雄一への罪悪感もあったものの
隆先輩のことが嫌いなわけでもなかったので
自分の複雑な気持ちに悩んだ。

そしてそれから少し経ち
私と隆先輩はホテルをあとにして
お互い帰路についた。
あれから数日。

私は翌日行われるサークルの呑み会の
服装に悩んでいた。

私は入学したばかりの頃
隆先輩の紹介で
隆先輩と同じ軽音サークルに
入会した。

隆先輩とはホテルに行った日から
どういう顔をして話せばいいのかわからず
ずっとギクシャクしていた。

大学でばったり会ったとしても
軽く挨拶をする程度になった。

正直、呑み会は不安だった。
そして呑み会当日。

呑み会は夜からだ。

私は居酒屋の場所が分からなかったため同級生の美波と待ち合わせをした。

少し経つと美波が待ち合わせ場所にやってきた。

美波は私がいままであった
隆先輩との出来事を知っている。

なので心配もしてくれていた。

そして私たちが居酒屋に向かった。

そしたらその場に隆先輩の姿はなかった。

少しするとサークルのグループトークに隆先輩からのトークが送られてきた。

そこには
今日は急用が入って行けなくなった。
とだけ書いてあった。

しかし私はそれが嘘だと思った。

なぜなら今私は隆先輩と
普通に個人トークをしているからだ。

きっと私と会うのが気まづくて
行くのを諦めたのだろうと思った。

少し経ち
サークルのメンバーが全員集まり
乾杯をした。

お酒が回ってきたことをいいことに
隆先輩にLINEを送る。

「隆先輩!!こっち呑み会始まりましたよ!!」
と。

すると隆先輩から返信が来て
期待してチェックすると
「あっそ。」
と一言だけ返信が来ていた。

私がえ??と少し冷たさを感じたことは言うまでもない。

いつもの隆先輩なら
「楽しんできてね^^*」とか
「あまり飲みすぎるなよー??」とかと返信をしてくれていた。

私はたまたまだよ!
まぐれだよね!と思い
返信を返した。

しかし隆先輩の返信は
「へー。」「そう。」「うん。」
と全てにおいて素っ気なかった。

私ははっと我に返った。

私は隆先輩の彼女ではない。

そう思うと悲しくなってきて
やけくそでお酒を飲み干した。
隣の席に座っていた同級生の歩夢くんが私の異変に気づいたらしく
「何かあったの?俺でよければ聞くよ??」
と声をかけてくれた。

歩夢くんは最近サークルに
入ったばっかりで実は話すのは
今日が初めてだった。

私はやけくそで
もういいや!と思い
今まであった一連の流れを
全て歩夢くんに話した。

私はどうせ笑われるだろうなと思っていた。

しかし歩夢くんは真剣な顔をして
親身に話を聞いてくれた。

すると歩夢くんは私に
「まだ隆先輩のこと気になるの?」
と私の目を一直線にみて
聞いてきた。

私は少しドキッとしながら
「もう隆先輩のことはなんともおもわないよ。」
と答えた。

そう言うと歩夢くんは
ほっとした様子で
「よかった…」
と呟いた。

私はその様子を少し不思議に思ったが
触れずにいた。

そして私はこの呑み会で
ひたすら歩夢くんに愚痴をこぼし
二次会まで続いた呑み会は
終了した。
私は呑み会から帰ると
スマホを確認した。

すると歩夢くんからLINEの追加申請が来ていた。

私はすぐさま了承した。

そしたら
「今日はお疲れ様でした。」
「かなり呑んでたけど気分悪くなったりしてない??」
「また嫌なこととかあったら俺でいいならいくらでも話聞くよ??」
とメッセージが送られてきた。

私は歩夢くんはやさしいなぁ。
と思い
「おつかれさまでした。」
「今日は愚痴ばっかりでごめんね。あとありがとう。」
と送った。

そしたらすぐに既読がつき
それから私はずっと歩夢くんと
LINEをしていた。
目が覚めると朝の8時。

そろそろ用意しないと授業に遅れてしまう。

私は慌てて起き支度をし
大学へ向かった。

授業を受け
あっという間にお昼だ。

私は基本、友達とご飯を食べている。

しかしその日は友達は休みだったため
一人で食べる羽目になった。

本当なら彼氏の雄一と食べるところだろうが
生憎、私と雄一は大学が違うため
それが出来なかった。

しょうがないと思い
1人でご飯を食べようとすると
向こうの方から
「俺と一緒に食べない???」
と歩夢くんが声をかけてきてくれた。

私はその呼び掛けに
応じることにした。

私は昨日愚痴を聞いてくれた
お詫びも兼ねて学食を奢ろうとした。

しかし逆に歩夢くんは
私と話して楽しかったと言って
奢ってくれた。

そして席も確保してくれてた。

私はそんな紳士的な歩夢くんの
行動に驚きを隠せなかった。

なぜなら私の彼氏は
こんなに紳士的なことをしてくれたことがないからだ。

雄一はこういう時は
歩夢くんとは正反対で
逆に奢ってともいうぐらいだ。

それを考えると
歩夢くんは本当にいい人なんだな
と実感することができた。

そしてご飯を食べてる時も
話すことが好きな私の話を
ひたすら親身に聞いてくれていた。

おかげで私も
気持ちよく話すことが出来た。
あれからは数日。

私は歩夢くんとすっかり意気投合して
よくふたりで遊ぶまでの中にまで発展した。

歩夢くんは
ご飯を食べに連れて行ってくれたり
買い物に連れて行ってくれたりと
どこにでも連れて行ってくれた。

もうやっていることは
ほとんどそこら辺のカップルと変わりはなかった。

でも私には雄一がいる。

複雑な気持ちでモヤモヤしながらも
雄一とは違う何かを感じた私は
歩夢くんにハマっていった。

この感情は一体なんなのだろうか。