いつもと変わらない一日

特に何をするでもなく
ただ夜にむけて準備を進めるだけ

寝起きの悪いあたしは
考えを行動に移す事なく
ベッドの端に腰掛けながら
タバコにゆっくりと火をつけた



ふうぅぅ~とため息混じりに吐いた煙は
こっちにおいでと言わんばかりに外へ招かれ
一本の道となってあたしと外を繋いだ


あたしを呼んでるの?
呼ばれても行かないっつの


その時本日一回目の携帯が鳴る

ブーッ ブーッ ブーッ ブーッ


    『只野 弘』

ビクッ


……


カチャッ
『留守番電話サービスに接続します

       ピ――――』



『…リョウ?なんで出てくれないのぉ?
今日の約束忘れてたなんて許さないぞ♪
待ってるからねぇ♪』



   プーップーップーップーッ…




シキはゆっくりと近づくと
誰ともつながっていない携帯を
力いっぱいにベッドへ投げつけた



   『只野 弘』

リョウの客だ
リョウはあたしの事。
二人目のあたし
いや…一人目のあたし…かな