タケルは祇祈が以前働いていた店のママの元で暮らすことになった



美咲は世間体を気にする両親に縛られ、逃げることができなかった



祇祈のこと、美咲のこと。

タケルの頭はその事でいっぱいになっていた

ママは何も教えてはくれなかった。次第にタケルは口数も減り、ママとの会話も少なくなっていった



あの時の絶望が蘇る



哀しい、怖いを通り越して無だけが残った


脱け殻のようなココロ

むしろ自分にココロがあることを忘れてしまっていたのかもしれない

そんな過去には絶対に戻りたくない

タケルにはそう想える理由があった