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『あ~そ~ぼ』


『……。』


『?  お名前なんてゆ~の?』


『タケル…』




一人砂場で遊んでいたタケルにその子は話しかけた



生まれて知った愛は一つ


砥祈からの愛ただ一つ


タケルは恐れていた


小さいながらに捨てられる『恐さ』『寂しさ』を知っていたから


誰かと接するのが恐かった

誰かに触れるのが恐かった

人の暖かさを知るのが…


タケルは人の優しさを理解しながらも

なぜかまた裏切られる気がして

未来に手を伸ばすことが出来ないでいた




『タケルくん、魔法使いなの?』


『え…?』


『カランカラン~カランカラン~』


その子は呪文を唱えるように

太陽に向かって繰り返し唱える


『カランカラン~カランカラン~』

タケルは目線を砂場から

ゆっくり太陽の方へ向ける