タケルが中に入るのを確認すると

視界に入った時計に目をむける



焦ったシキは慌てて自転車にまたがり

必死になって汗を流した



『バカ言えよ!なんでこんなに時間がないんだ!』




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自転車をこぎ続けしばらくすると
人混みが絶えぬ商店街を走っていた

そろそろシキにも疲れが見えてきた頃


カランカラン
       カランカラン



3つの鈴の音がシキの表情を明るくした



一つは
小学生のランドセルについた鈴の音



もう一つは
おもちゃ屋さんの鈴の音



最後の一つは
平日でも賑わうこの商店街
一瞬にして見失ってしまった鈴の音

ネコの首輪についた鈴であった


シキは3つの重なる鈴の音を聴きながら
風にのって輝く光に目を細め




    『眩しい』




そう言って

           笑った