「狼、違うから!姫役の井上に、

キスシーン入れてっ!

って頼まれたからだよ!」



「は?井上に?ってかその、キスシーン入れてって声真似?

超似てるね。声やばいよ。」





「キスシーン入れて」という井上が言っただろう言葉を遊が真似てて、すごくきもい。




井上萌花、か。






「亮介、キスシーンそのままでいいから、姫役変えていい?」




今は、最後の文化祭準備の時。つまり、文化祭前日。



亮介は、戸惑いながら、






「ま、まぁ、今回は狼が被害者だしな。いいぞ。

ただし、華があって、今からでも劇に出れる演技がうまい奴な。」