何日かして、また千夏が来るようになった。




嬉しかった。


それにもう狼とは別れたらしい。それも少しだけ、嬉しかった。






けど、寝たフリをしてなきゃいけないから、



話すことも、目を見ることも出来ない。



触ることも出来ない。







俺のしたいことなんて、千夏に関することだけ。



それは全部出来なかった。






また、千夏が病室に来るようになってから、



あることに気がついた。




それに気づいた時は、二人きりで千夏の呟いた言葉だった。





「昂輝、私、昂輝が好きなの。
早く話したりしたいよ…。目を覚まして…。」