あの頃の僕はまだ幼くて。
手の繋ぎ方、デートの誘い方。
嫉妬の醜い心の扱い方も分からなかった。
自分の気持ちばかり優先してしまって。
君の事をたくさん泣かせてしまった。
自分の中の小さな世界に閉じこもって。
扱いきれないほど綺麗な君への想いを。
ずっとずっと隠していたかった。
だから、たくさん君にひどいことをしてしまった。
それでも。
誰かを好きになるのは初めてで。
自分の中でいちばん大切で。
秘められた想い。
ビー玉のように輝く、恋心。
不器用ながらもこの気持ちに向き合って。
たくさんたくさん悩んで。
君の事を考えて。
今でも色鮮やかに思い出す。
君と出会った日の事を。
分からないことだらけの、手探りみたいな恋。
それが僕の精いっぱいで。
めいいっぱいの、大好きだった。
僕たちはまだ子供で。
子供ながらに、一生分の恋をした。
桜のように淡く、それでいて美しいこの恋心を。
壊れないようにそっと、君に伝えたい。