その痛みと共に、私は。
君が好きだって、気付いた。


嫌われることをして初めて気づくなんて本当にバカで。
好きだと知ったとたん、想いが溢れた。
蓋をすることなんてできなくて。
君の事を想っては、涙を流した。


廊下ですれ違うたびに、胸がざわざわした。
笑っている姿を見ると、胸がきゅっとした。


それでも、目が合うことはなくて。
話す事も出来なかった。
秘密の場所にも行けなくて。


君に正面から嫌いだって言われるのが怖くて。
ずっとずっと、避け続けてしまっていた。


そして3年生の春。
神様のいたずらなのか。
同じクラスになった。


教室に君がいる。
君が同じ空間にいるのが当たり前になる。
その事が嬉しくて。でも怖くて。


もし目を合わせて逸らされてしまったらどうしようって。
すごくすごく、怖くなった。


それでも、好きな気持ちは募っていって。
このままじゃいられなくて。
嫌われてもいいから、もう一度だけ。
君と声を交わしたいと思った。


私の全部のごめんなさいをぶつけた謝罪を。
君は笑顔で受け入れてくれた。
それどころか謝ってくれて。
その優しさが、痛くて、苦しくて。
また君を好きになった。