綺麗だって。
好きだなって。
そう思った。


「高校でもよろしくね。」


「こちらこそ。」


「お守りのおかげで俺頑張れた。」


「私も、試験中何度も見たもん。」


「俺も。」


「……パスケース、使えるね。」


「うん。一緒に使おう。」


約束が叶っていく。
寒空の下交わした小指の約束。
ちゃんとふたりで叶えたよ。


初めの印象は、女の子みたいだった。
初めて喋った時、やっぱり男子だって思って。
すごく緊張したの、覚えてる。


それから何かと会う機会が増えて。
話す事も多くなっていった。
そしてだんだん、気になっていった。


それでも、恥ずかしさや後ろめたさ。
意地っ張りな所が強くて。
嘘をついてしまった。


あの傷ついた顔、今でも忘れられない。
自分の犯した罪が心の奥底に刻み込まれている。